敷金が返ってこない!?敷金の返還を成功させた体験談とノウハウを公開

敷金は全額返金されるべきもの

まず大前提として、『敷金は全額返金されるべきお金!』という事です。

あまり認識している人はいませんが、敷金とはそういうものです。

今回は、私が不動産会社と敷金の返還を求めて交渉した体験談を話します。

敷金が返ってこないと泣き寝入りする前に、このノウハウを参考にして不動産会社から敷金を取り戻しましょう!

家賃6万円の2ヶ月分の「敷金12万円」が返ってこない!?

私が学生(20~22歳の頃)の話です。
当時の物件の詳細は、以下になります。

場所:神奈川県横浜市
【建物】鉄筋コンクリート(RC)造
【家賃】6万円
【敷金】12万円(家賃2ヶ月分)
【礼金】なし(または1ヶ月分)
【間取】1K(6~7畳)
【契約期間】2年

このような状態で某大手不動産会社が仲介した物件を賃貸借契約し、2年後の更新する時期に引越しました。

その後、不動産会社の方が立会いし部屋の確認をしたにも関わらず、電話で『敷金2ヶ月分である12万円は返還できません。むしろ、本当は15万円を請求したいところです。差し引いた3万円は当社で負担します。』と連絡が来たのです。

敷金を「全額」返してください!

そんな事を何も書面を見ずに口頭で言われても納得がいきませんでした。

なぜなら、この時の物件は、私の人生の中で2件目に引っ越した物件だったから、1件目の退去時に敷金が返ってこない事に違和感を覚えて色々と調べていたから、敷金は返還されるものだという事を知っていたからです。

不動産会社(営業担当)との交渉は、ここから始まりました。

不動産営業マンによって交渉は変わる

私が実際にどのような行動に移したのか詳しく説明します。

1.こちらから不動産会社へ連絡する

不動産会社の方は、電話で「敷金は返還しません」と言ってすぐに電話を切り、その後は何も音沙汰は無かったです。
ですので、こちらから電話をして交渉しなければいけないと思い、まず最初の電話をしました。

この電話で伝える事は、次の1つです。

『敷金12万円をどのような箇所に使ったのかが詳しくわかるように内訳を書面で郵送してください。もし、郵送できなければ、店舗へ伺う事も可能です。』

このような事であれば、最初の電話(敷金は返還できませんと相手から来た電話)で、このように伝えても良いでしょう。

2.内訳書の内容を精査する

書面が郵送で届いてから、内訳を見ましたが、大雑把すぎて内容がさっぱりわかりませんでした。

たとえば、壁紙の張り替えが8万円という請求は、なぜ8万円もかかるのか不思議だったくらいです。
確かに、この物件に住んでいた時は、タバコを吸っていましたので、壁は黄ばんでいた事でしょう。しかし、その壁紙を交換する費用として家賃6万円を超えているのは、どうも信じられなかったのです。

通常、壁紙は床面積(m2)でいくら、という書き方をします。そのため、この内訳書は、どのくらいの面積の壁紙を張り替えたのかが分らなかったのです。

【壁紙の張替相場】
6畳(床面積10m2程度):3~4万円
8畳:5万円を超える

どう考えても家賃6万円を超えるような事は考えにくいという結論に至りました。

3.内訳書の内容と相場を照らし合わせ交渉を再開

この交渉から、あきらかに不動産会社の態度が変わりました。
以下にその時のやり取りを記しておきます。

私:『内訳書に書いてある壁紙の張替え費を相場と照らし合わせました。なぜこのような金額になるのですか?何m2の壁紙を張り替えるのですか?』

不動産営業マン:『すべて業者に任せてあるので、詳しくはわからない。』

私:『じゃあ、その業者はなんていう業者ですか?教えてください』

不動産営業マン:『それは、教えられませんが弊社と提携している業者です』

私:『インターネットで検索すれば、その業者よりも安い金額で壁紙の張り替えをする業者は多いです。なんなら、私が依頼しますよ?』
私:『そもそも、6畳の壁紙を張り替えするのであれば、3~4万円で済みますよね?何も知らないと思っているのですか?』

不動産営業マン:『はい?何を言っているのかわからないけど、敷金は返せないから!それと、いま営業中だから、またの機会にしてくれます?ガチャ』

4.諦めずに、すかさず電話をする

私:『電話が切れましたね。というか、明らかに切りましたよね?その態度はどういうつもりですか?こちらは、内訳の詳細を知りたいだけなのですが?』

不動産営業マン:『もう迷惑なので、電話してこないでください。』

私:『営業時間外に電話をしているわけではありませんし、これは正当な権利なはずです。○○さんが話をしないのであれば、本社とお客様相談センターに連絡させて頂きます。では。ガチャ』

テレビCMもしている大手の不動産会社だからこそ、この営業マンの行為は、とても信じられないくらいビックリしました。
また、このまま営業マンと話を続けていても意味が無いと思い、本社(お客様相談センター)へ連絡したのです。

お客様相談センターへ連絡するのが効果的!

このお客様相談センターへ連絡したのが、功を奏しました。

敷金返還請求で大手不動産会社の店舗へ問い合わせた事。電話で話した担当営業マンの名前。どのような内容で話したのかを詳しくヒアリングしてくれます。

その後、例の営業マンの上司(店長)が代わりに電話をしてきました。

その時のやり取りの詳細は、以下になります

店長『この度は失礼しました。敷金の返還について、ある程度は把握しました。再度、詳しく話して頂けますでしょうか?』

私:『内訳書の内容に納得がいきません。敷金は、私に故意または過失が無い場合は、全額返ってくるものですよね?』

店長『はい。その通りです。今回の場合、あなた様はタバコを吸っていました。その壁紙の張り替え代金と、エアコンまでタバコのヤニが付いていてクリーニングをしなければなりません。』

私:『タバコのヤニで壁紙を交換しないといけないのは、分かります。しかし、相場は3~4万円です。また、エアコンはもともと新品が付いていませんでした。クリーニング費用をこちらですべて負担するというのは、経年劣化の事も考慮すべきではないでしょうか?』

店長『確かにそうかもしれませんね。では、エアコンのクリーニング代金は、半分負担するという事で、どうでしょうか?』

私:『わかりました。では、敷金はいくら返還されますか?』

店長『はい。では再度、計算してから内訳書を郵送させて頂きます。この度は、弊社の営業担当も含めて申し訳ありませんでした。』

戻った敷金「8万円」!敷金返還請求の交渉は成功!

結果的に、敷金の全額「12万円」は戻ってきませんでした。しかし「8万円」が戻ってきました。

【正当な内訳】
・壁紙の張り替え費(6~7畳):2万円
・エアコンのクリーニング費:1万円(2万円の半分)
・部屋全体のクリーニング費:1万円

こんな感じだったと思います。

つまり最初に営業担当が言っていた「15万円」というのは、デタラメだった事がわかりました。

また、今回の件の他にも過去に同様の手口で敷金を正当に返還していなかった事が発覚し、この営業マンは、退職という形にさせられたそうです。(この店長が言っていただけですので、本当のところはわかりません。)

敷金返還交渉は正直、面倒臭い

この経験を通して私が思ったのは、「敷金返還の交渉は正直、面倒臭いし苦痛」という事です。

実際にこの8万円を返還してもらう交渉は、もっと長いです。(営業マンが幾度となく暴言を吐いた事等のやり取りは、省略しています)

交渉を開始してから、自分の口座へ振り込まれるまでの時間として、「2か月」は経過していたと記憶しています。

最初から、お客様相談センターがある不動産会社であれば、そちらへ問い合わせをした方が早いかもしれませんね。

最初から「敷金」は払わない方がいい!?

「敷金」とは、一時的に不動産会社へ預けたお金の事を指します。
そのため、金額に関係なく、相手が振込等をしないと決して返還される事はありません。

そのため、敷金は「最初から預けない方が良いのでは?」と感じる人は多い事でしょう。私もそう思います。

この経験をしてから、私はできるだけ「敷金・礼金ゼロ」の物件を探しています。

巷ではよく、「ゼロゼロ物件は危険」と言われていますが、請求された金額に納得できなければ払わなければ良い話です。

敷金として、契約時にお金(仮に12万円)を預ける方がいいか、退去した場合に請求された金額(仮に8万円)を支払う方がいいかの違いです。

ちなみに、一度支払ったお金を”取り戻す”という事は、後で”支払う事”よりも大変という事は覚えておきましょうね。

 

【参考ページ】
不動産賃貸の敷金トラブルを回避する方法!敷金返還を求めて不動産屋と戦った2ヶ月
賃貸物件(部屋)を借りる時の初期費用をできるだけ安くする裏ワザ交渉術