マンションの外観は、賃貸マンションの経営に影響を与えるのか?

始めて賃貸マンション経営を行うとき、初期費用を抑えるため中古マンションを購入して始める人は少なくはありません。購入する際の条件として、入居者の殆どは住み心地に配慮することはあっても、建物の外観にまで気に掛ける人はすくなく、外観へのコダワリなどは個人の価値に左右される面もあるため、どの程度気にかければいいのか判断は難しいです。

入居者候補の評価を大きくかえる第一印象

入居先としてマンションを借りる場合に、その決定を決めるための材料として見学を行うのが一般的です。入居希望者は、マンションまで移動する際に既に条件のチェックを始めているのです。

通勤、通学などの利便性の確認は勿論のこと、次に目につくマンションの外観は大きく印象を左右します。人間同士の関係性の多くが第一印象に左右されるように、マンションの印象も第一印象に左右されることには変わりはないのです。

マンションの外観というと壁面と勘違いしがちですが、共用部分の範囲全般が印象を左右しています。印象を決定づけるのは「マンションの外観」などの風雨による経年劣化のみではありません。現在入居している人の利用仕方、例えば駐車場・駐輪場の使い方、周辺にゴミのポイ捨てをする人がいないか?など、外観のチェックは入居者の質を関節的に知ることができるためとても重要です。

これら入居者の利用方法は、マンションが古く、汚れているほど「少しぐらい良いか」という気分にさせられ徐々に入居者のモラルが崩れていくのが問題とされています。また入居者のモラル崩壊はマンションの劣化を進めることとなるため、劣化の進み具合が激しくなります。

入居者を募集するからとって、その都度外観をリフォームするなどは不可能です。しかし、印象が悪ければ、自分が住まいしたときのリスクを感じることになり、入居者を獲得できるチャンスが減ってしまいます。

そのため、一定の期間を設けて外観に手を加え印象を改善する必要が出てくるのです。マンション外観全体の手入れや修繕となると、費用が大きくなります。そのため、入居者は外観のどの部分を重視しているのか?を熟知し、費用を抑えることができるように工夫をこらしながら手入れをする必要があります。

住まいは、外観を重視するタイプと内装を重視するタイプに分かれる

マンションを購入する場合、外観がキレイであることは重要です。しかし、外観がキレイでも内装、設備が古ければ尚の事その印象の落差にショックを受けてしまうものです。それなら外観の印象が悪くても室内がキレイである方が印象も良く、住みやすい部屋と感じ、外観と内装の印象差によりよい好感を与えることになるでしょう。

また、近年の若い人や、日本好きの外国人は、外観のデザイン性にも強い興味を示します。築年数の古いマンションであっても壁や屋根などのデザインが注目度の高い特徴的なものであれば、築年数が古くても「レトロさがオシャレでいい」と受け入れられることがあります。しかし、実際には入居希望者がマンションを借りるときの判断材料として外観を配慮するかどうかは、入居する人の価値や好み、生活習慣によっても大きく変化します。

例えるなら、知人を招待してパーティーをするのが好きなら、来客からの印象も重視するため外観を気にすることが多いでしょう。また、外観の見た目だけでなく、ベランダ、バルコニーの面積が広くガーデニングを行う広さがある。バーベキューを行える空間があることで、外で過ごす時間も増え、眺望と共に外観を気にする機会も増えます。

その一方では、外観を全く気にしないという人もいます。平日は仕事で朝早くから夜遅くまで留守にしている。週末は家から出たくない。また、どこかに出かけて帰ってこない。などのようなライフスタイルであれば、選ぶ基準は室内で過ごす時間の充実、機能性を重視するため気にしない人もいるのです。

 外観の印象は「治安」「防犯」に繋がる

例えるなら、外壁に落書きをしたまま、エントランスのガラスが割れたまま放置されている状態、一か所にタバコの吸い殻、空き缶などがあれば、人目につかず人が集まる場所として認識され治安面に不安を覚えるものです。

もし入居希望者が若い女性であれば、入居をしようとは考えないでしょう。

特に、一人暮らしの女性を借り手のターゲットとして考えている場合であれば、なおさら重視すべきポイントとして気に掛けておく必要があります。

まとめ

マンションのデザインはマンションの入居率を決める判断材料の一つとして差別化に繋がるというと、少々無理な値段であっても良いデザインのマンションを選ぼうと考える人がいますが、実際に重要となるのはデザイン性よりもそこから得られる二次的な産物であるということを知っておく必要があります。

賃貸用に中古マンションの購入を考えるなら、入居者となるものの立場から物件を評価する必要があります。外壁の新築のように保つために短い期間で修繕を施せば当然大きな費用がかかります。その費用を家賃で負担することも入居者は好まないでしょう。

また、室内にリノベーションを施し品質を優先していれば、高い投資効率で運用できるでしょう。そのため、マンションのある立地や環境が過ごしやすいものと感じるように、マンション外観の管理を徹底することが重要なのです。