マンションの老朽化でダントツに犠牲になるのは「住民」ってどういうこと!?

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社会問題化している老朽化マンションの実態

日本で初めてマンションが建設されてから50年が経ち、2018年には築50年超のマンションが全国で5万戸に達すると言われており、老朽化したマンションが社会問題化しています。

にも関わらず、2014年の国土交通省の資料によると、全国でこれまで建て替えが決まったマンションは、準備中も含めて230物件しかありません。全国のマンションストックは約590万戸あり、そのうち1981年6月以前の旧耐震基準で建てられたマンションは約106戸。さらに、1971年4月以前の旧・旧耐震化基準のマンションは18万戸あるとまで言われています。

これらのマンションがスムーズに建て替えられるとは到底思うことはできず、マンション住民の間では、話し合いやトラブルが増加しています。

なぜ、建て替えがスムーズにできないのか?

全国的のマンションストックが590万戸あるにも関わらず、なぜ、これらのマンションがスムーズに建て替えられないのでしょうか。その理由は大きく分けて、「法制度」と「経済面」の2つあります。

区分所有法の高い壁が障害か!?

簡単に言えば、区分所有法に定められた建て替えのハードルが高すぎるのです。

区分所有法62条1には以下の規定があります。
「区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議をすることができる」

つまり、100戸のマンションなら80戸が賛成すれば、建て替えを決議できるということなのです。
逆に考えると、21戸が反対もしくは賛成しないと建て替えられないということですが、現実にはこれはかなり難しいと言えます。

自己負担100%で建て替えるなら「2,000万円」が必要!?

法制度以上に経済面での問題は、さらに深刻です。
これまでの建て替えが実現した例は、ほとんどがマンション所有者の「負担金がゼロ」の場合です。

新たに建設する場合、建築費の目安は1戸あたり2000万円です。

仮に、これが全額自己負担だたとします。100戸のマンションを自己負担100%で建て替えるためには、80戸が「2000万円+転居・仮住まい」の費用を負担できる経済力があって、かつ賛成票を投じる必要があるのです。

老朽化したマンションのマンション所有者は大半が高齢者です。この費用を負担できるマンション所有者はそれなりにいるとは思われますが、全体の8割と想定するのは現実的ではありません。
やはり、建て替えが実現するには「負担金がゼロ」の条件を整えなければならないのです。

敷地も含めてマンションをまるごと売却する!?

建て替えが不可能ならば、いっそのこと、マンションの敷地も含めてまるごと売却するという案が浮上しているマンションも存在します。

これは、売却によって得た資金を所有者で按分する方法で、物件の規模にもよりますが、売却先は資金力のある大手でなければ難しいでしょう。

平成26年の「マンション建て替え円滑化法」の改正前は、所有者全員の承諾がなければ売却はできませんでした。しかし、改正後は、所有者の5分の4が賛成すれば売却可能になりました。
とはいえ、売却すれば住む場所を失うわけですから、次の住居のことを考えて慎重に価格交渉をしなければなりません。

さらなる住民トラブルの危険性もある!?

この、「マンションをまるごと売却する方法」には、現状でそこに住んでいる所有者と居住していない所有者の間で、売買価格について意見の相違が生じることがあります。
そこに居住していない所有者は、少々安くても現金収入を優先する傾向があります。一方で、次の住まいを考えている所有者には、簡単に妥協できない事情もあるでしょう。

ここで話がごじれて、なかなか先に進まないというケースは本当に珍しくありません。

老朽化したマンションに未来はあるのか?

ひと口に老朽化マンションといっても、立地や周辺環境、構造や規模、住人の属性などによって抱える課題は様々です。しかし何もしないで放置され続ければ、やがてスラム化し犯罪の温床になる危険性を孕んでいるのです。

少子高齢化により、2世帯、3世帯といった家族構成から、核家族や高齢者の独居世帯へとシフトし、日本人のライフスタイルは様変わりしました。マンションだけではなく公営住宅の老朽化も進んでおり、それらの住宅に住む独居老人の孤独死が社会問題になっています。

人によっては、これらの問題へ真っ先に動き、決断している人たちも存在します。
そのような人たちは、マンションを手放して、中古の戸建て物件へ住み替えている人がほとんどです。

もし、未来を見据えての住み替えを考えているのであれば、【60秒でかんたん!無料の不動産売却価格診断シミュレーター】で、査定だけしてみるのも一つの方法ですよ。