サービス付き高齢者賃貸住宅経営への参入が増加する理由

少子高齢化が進む中、高齢者向け賃貸住宅も注目を集めています。

高齢者向け賃貸住宅は投資用物件として利益を生み出すことはできるでしょうか?

参入を行う際の注意ポイント、メリット、デメリットはどのようなものになるのでしょうか?

 

■高齢者向け住宅のサービス

高齢者向け賃貸住宅と言っても「サービス付き」と「シニア向け」の2種類に分かれます。

サービス付き高齢者向け賃貸住宅

比較的元気な高齢者向けの賃貸です。

バリアフリー設計で生活しやすい環境が提供されています。

センサーによる見守りサービス、夜間緊急通報サービスの他に、オプションで食事、掃除、洗濯の提供がされています。

外部との契約により介護サービスが行われています。

シニア向け分譲マンション

高齢者が生活しやすいように建てられたマンションで通常マンションとの差は大きくありません。

フロントサービス・見守りサービス・緊急時対応サービスが、通常サービスとして提供されています。

このほかにもオプションとして安否確認、食事、掃除、洗濯、通院動向などのオプションが可能なところが多いです。

介護サービスに関しては外部との契約が必要です。

シニア向け分譲マンションは、入居年齢も50歳以上などと高齢者と呼ばれるにはまだ早い人達も入居可能です。

サービスを追加することで差別化がなされているものの、一般の分譲マンションと大きな違いはないと言えます。
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■サービス付き高齢者向け賃貸住宅の特徴とは?

一般の賃貸経営の場合、立地、設備、間取り、近隣環境により、入居率や価格が大きく左右されます。

しかし、サービス付き高齢者住宅は、ビジネス条件が一般の賃貸とは大きく違ってくるのが特徴と言えます。

立地条件に左右されない

サービス付き高齢者向け住宅の居住条件には、60歳以上または要介護・要支援認定を受けている人とその配偶者や親族です。

余りアクティブな活動を視野に入れる必要性はなく、立地面により賃貸事業が左右されることはありません。

市区町村によっては、建物の建築が通常不可能な市街化調整区域においても建築が可能となる場合がるのが特徴です。

そのため、利用価値が無いと放置していた土地も有効活用する事ができるのです。

補助金の支給と建築コストの抑制

新築の場合なら建築費の1/10、中古の場合なら改修費1/3 戸数×100万円を上限とし補助金が支給されます。

通常の居住部分面積25㎡、バリアフリー構造の居住設備の設置が必要です。

しかし、共用部分に台所・収納設備・浴室設置を設置するなどの条件を満たすことで、居住部分面積18㎡となります。

また、共用の台所・風呂を設置することで、各部屋の台所・風呂の設備費用が抑制されます。

このように一般の賃貸マンションと比べ初期コストを抑制することができるのです。

また、国・地方公共団体から設備事業の補助を受けることで、固定資産税や不動産取得税も優遇されます。

家賃設定の制限

家賃設定に制限が設けられますが、補助金として建築費の10%が支給されることで、十分な利回りが確保できます。

制限は、近隣にある賃貸住宅の相場を基準とし80~90%程度の家賃とされています。

これは入居者の支払いが年金を頼りにすることが多いための制限です。

また、管理などに不安があり一括借り上げを委託した場合、賃料支払いについて当初の2~6ヵ月は、家賃支払いの免責期間となることが多く、家賃収入を得るまで時間がかかります。

 

■まとめ

サービス付き高齢者住宅の建設は比較的容易です。

問題となるのは経営できるかどうか?必要な人材を揃える事ができるかどうか?と言うことです。

相談サービス員の在中、医療・福祉関係業務との提携、食事・清掃スタッフの調達あるいは委託などが必要となります。

一般の賃貸住宅と比べ維持・管理・サービスの負担が大きいです。

しかし、それらの問題をクリアすることで成功が獲得できれば、投資対象として大きな利益を得ることができるのです。