債券や株式のような金融資産は、国や企業の信頼・業績により価格が変動します。
しかし不動産物件の価格は変化するものの「土地」「建物」と言った現物が消える事はありません。
そのため価格の流動性はあるものの「真実の資産」と言われる安定性があるとされています。
地価が高騰したバブル期、不動産投資による購入と売却の差額が主な利益とされていました。
その後バブル崩壊を迎え、物価の下落・年金不安・賃金低迷による将来の不安が目の当たりとなってきたのです。
現代では、長い不景気を抜け物価上昇がみられますが、かつてのバブル期ほどでもありません。
年金不安や将来の不安はぬぐい切れていません。
そのため賃料と言う定期的な収入は、生活を豊かにするための大きなメリットとして必要とされています。
■不動産投資の特徴
不動産投資の特徴は、初期投資額が大きいため頻繁な売買には向いていません。
しかし、初期投資の段階での経営戦略や管理を行う事により、売買に頼らなくても収益資産を得る事ができるのです。
所有土地の活用、自宅の建替えと共に賃貸住宅を併設するなど資産運用の方法はさまざまです。
この場合に重要なのは、投資として有効な環境、立地に土地があるかどうかということです。
仮に有効な立地に土地が無い場合には、賃貸に有効な土地との交換も業者によっては可能となります。
不動産賃貸においては、立地が最も重要な要素といえ、地域にあった営業を行う不動産業者の選択が重要と言えます。
■賃貸経営におけるリスク
・周辺環境による不動産価値変動
・災害時の賃貸物件の損傷や消滅
・入居者不在の家賃未収入
・空室リスク
これらのリスクは賃貸経営に取り掛かる前に、立地・周辺環境を十分に理解することで回避できます。
また、入居を選択する人によっては、メンテナンスサービスを行う事で、リスクコントロールに繋がるのです。
■立地の良し悪しが、なぜリスクコントロールに繋がるのか?
立地により入居する人は変化します。
大学近くにワンルームを建築すれば、大学生向けのワンルームとなります。
工場地域に賃貸住宅を持てば、工場住民が借りる事になります。
繁華街に建築することで、飲食関係の入居者が増えるのです。
立地選びは、ニーズやライフスタイルを知り、ターゲット層を絞ることが出来るため「入居者選び」とも言われるのです。
それにより入居者のタイプを限定し、生活にあった賃貸住宅を建築する事が出来るのです。
また、賃貸経営を行う際には10~20年と言う環境変化の予測・調査を踏まえ長期的な計画が必要となります。
これらを行って初めて、適正な運用に繋がり安定した収益を期待できると言えます。
■入居者ニーズと入居者サービス
立地により予測できる入居者タイプに配慮した運用も重要になります。
共用部分やゴミ捨て場の維持管理・清掃・メンテナンスは欠かせません。
ワンルームであれば、駐輪場・バイク置き場などの配慮、近隣のコンビニ事情などです。
ファミリー世帯であれば、駐輪場・駐車場などの共用部分の充実、ペット可であれば足洗い場・汚物処理場などさまざまです。
特殊なところでは、賃貸マンションのオプションとして家政婦代行チケットなどもあります。
このように、現代ではニーズに合わせたサービスが、他の賃貸との差別化を生み出す事ができるのです。
■まとめ
建物・場所・コスト・相続問題、経営戦略などさまざまな要素をクリアし、賃貸経営を安定したものにするためには情報収集が重要です。
地域の不動産業者・ハウスメーカーでは、構造・デザインなどさまざまなバリエーションが提供されています。
資金面だけでなく、金融機関などの相談もできる場合があります。
不動産賃貸経営は、理想を叶える第一歩として何よりも情報収集が大切と言えるのです。