オリンピック特需や金融のマイナス金利など、さまざまな要因から不動産投資に注目が集まっています。
「上り調子の際に投資を行わなければ、乗り遅れる」
そのように考える人も少なくはありませんが、不動産投資に誰でも参入できる訳ではありません。
【十分な資金が確保できない】【投資の事は判らない】【良い不動産を見極める時間がない】
このような理由により不動産投資を諦める人がいる反面、投資による副業を諦めきれない人がいます。
そんな人にとって不動産投資信託(REIT)は参入しやすい投資案件と言えます。
しかしREITは安心できる投資と言えるのでしょうか?
■REITの価格を決定するのは、不動産の取引件数
REITの値動きは、不動産物件の値動きそのものと言えます。
その不動産物件の価格を決定するのは、取引件数です。
不動産価格が上昇するときは、売買件数が増え価格が上昇し、その後連動し賃貸価格が上昇します。
不動産価格が下降するときは、売買件数が減り価格が下降し、その後連動し賃貸価格が下降します。
この連動の途中、不動産価格が下降傾向にあっても賃料が高止まりしている時期があります。
そのような物件は購入時点の利回りが高くなり、将来的な賃料価格の値崩れリスクが大きい物件となります。
また不動産価格の低下は、経済状況の冷え込みとなります。
金融機関の融資は厳しく、融資が減少し更に経済状況は冷え込みます。
このような連動する景気悪化時期になると、不動産価格は下がるものの物件購入は難しくなるのです。
実際に不動産物件を取引するのであれば「取引件数の動き」に注目する事が大切です。
短期間による不動産投資により利益を得るためのタイミングがつかめるはずです。
■観光需要の将来性とREIT
2020年のオリンピックと円安を拍車とし、外国人観光客の誘致が盛んです。
この外国人観光客の需要はREITにも大きな影響を与えます。
ここ近年、用途別不動産額において最も大きな伸び率を見せたのがホテルです。
これは主に外国人観光客の需要増加の結果と言え、これにより投資家の支持を集めました。
現在のところ順調に伸び続けているものの、観光需要は国際情勢・為替の影響を受けやすいため、常に注目し続ける事が重要です。
■REIT、収益不動産物件の購入タイミング
REITの購入は「不動産価格下落」「賃料高止まり」の時期が最適なタイミングと言えます。
REITはマンションなどの収益物件が殆どです。
そのため不動産価格が下落中であっても、継続賃料は高止まりしていることが多いのです。
賃料と言うものは新規に契約する場合に設定されます。
また入居中の賃貸物件は「不動産価格下落中」であっても、すぐに連動して下がる訳ではありません。
借主がオーナーに家賃の値下げ交渉を行い合意がなされない限りは賃料が継続されたままなのです。
投資を行う底値価格の不動産を探し出すのは難しいですが、不動産の取引件数が情報し始めた頃が底値のタイミングとされているのです。
■REITの指標
不動産取引以外にも注意を向けるものがあります。
それが、金利の値動きです。
金利の値動きの基準は、長期国債を見る事で金利変動を知る事ができます。
REITの「分配金利回り」と「国際10年物最長利回り」の金利差は、3%程度が理想とされます。
賃貸物件の家賃が上がっておらず、分配金利回りが上昇すると、REITの価格は下落し始めます。
REITは、賃料収入のうちの純収入(家賃収入-経費)が一定であれば、「REITの価格=純収入÷分配金利回り」で決定されます。
そのため金利上昇は分配金利回りの上昇であり、REITの下落を意味します。
このため国債10年物最長期利回りの上昇は売りタイミングと言うように、重要な指標とされるのです。
■まとめ
REIT株価は 【高確率で下がり】【基本は低い株価】であることが、ポイントとなります。
そして株価が下がる時が = 購入のタイミングと言えます。
投資の多くが必ず利益を出せる訳ではないように、REITも同様に必ず利益が出ると言う訳ではありません。
そのため投資は自己責任でお願いします。