マンションの資産価値の基準は立地に依存することが多く、立地条件が良いマンションの分譲価格は高いものの値下がりしにくいのが一般的です。
立地的に優れていることで、年月が経過しても、長期間にわたり価格が維持されるだけでなく、時には価格が上昇することもあります。
そのため、マンションでは立地の良し悪しはとても重要とされています。
また、立地の良し悪しは周辺環境を調べる事で誰でも簡単に良し悪しを判断できます。
不動産評価は立地に依存しますが、入居率に関しては建物の影響も大きいです。
しかし、建物部分に関しては専門性が高く、良し悪しの判断は難しいです。
そのため、マンションオーナーとして建設を依頼する人の多くは、メーカー側が行う提案のまま建設する人が殆どです。
■ターゲットを視野に入れた建物
客層自体が立地により変化する傾向があるため、十分に調査する必要があります。
・近隣に大学がある場合 ワンルーム
・工業地帯、商業地帯が近隣にある場合 ファミリータイプ
このほかにも、オフィスや店舗、コンビニ、コインランドリーなどが近くにあるか?
住宅のワンルーム・ファミリー向けのどちらが適しているか?
周辺環境から割り出しターゲットを視野に入れ、ニーズに応じた計画を立てる事が重要です。
■マンション建設のコストを下げる方法
・メーカーごとに持つ基本パターンの設計・図面を利用する
・1室あたりの面積を広くし、面積当たりのコストを下げる
・メーカーが推奨するバス・トイレ・台所を利用する
このような方法により、メーカーは建物を安く建築し高い利益を出しているのです。
そのため、新しくマンションを建設する際には、建築業者の都合ではなく入居者を想定した設計が必要です。
これにより周辺のマンションとの差別化を行う事ができるのです。
賃貸管理を行う不動産業者と相談しながら行うことをおすすめします。
■建物の構造
構造別の法定耐用年数は、木造・軽量鉄骨22年、重量鉄骨34年、RC・SRC47年とされています。
しかし、実際にはその倍の期間居住が可能とされ、特にRC・SRCになると100年に渡る利用が期待できます。
そのため古い建物をリノベーションしシェアハウスに再利用する人も増えています。
SRC(鉄筋コンクリート)造であれば、柱が少ないため利用できる空間が増え自由度が高くリノベーションに適していると言えます。
反面、軽量・重量鉄骨造りは柱が多く、リノベーション業者も改修方法が難しいため敬遠しがちです。
木造、軽量・重量鉄骨は見た目の劣化が激しく、20年も経てば古さや汚れが目立つため入居募集に苦戦する事が多いです。
このような事から、RC・SRC造のマンションが人気を集めています。
■共用部分
ターゲットを絞った際に共用部分をどのように充実させるかの方向性が決定されます。
子供のいる世帯が多い場合、屋根付きの駐輪場は必須と言えます。
また、子供が多ければエレベーター前、中庭、廊下などで子どもが遊ぶことでトラブルが発生するなどの配慮も必要となります。
それらを見据えた設計を行う事で、他のマンションとの差別化を行う事ができます。
また、新築時期では新しいと言うだけで人は優先的に入ってくれるため、共用部の気遣いをしていないことも多いです。
しかし、いずれ共用部分を作る事を視野に入れておくと良いでしょう。
■エントランス部分
建物のグレードを上げるためには、エントランスの素材と空間の作り方にこだわる事です。
エントランスが立派だと言うだけで、入居者の内覧時に良い印象を与えます。
■まとめ
不動産投資としてマンションを建設する場合には、居住空間である部屋の間取りだけに気を付ければ良いと言うものではありません。
居住するだろうターゲットの住まいのしやすさが重要になります。
マンションの構造によっては、長期による経営を行う必要があります。
建物が古くなり競争率が低下した時に、さまざまな対処を想定し対策しておくことが、新築マンションを建築する一番のメリットと言えるでしょう。
提案を受けたままのマンションではなく、将来を見据え考える事が長期不動産投資の「成功への鍵」と言えます。