不動産投資を行う際に、土地や現金など投資に利用できる資金を持ち合わせていると利益の増加に繋がります。
そのため、一定の広さを持つ地主のところには、多くの業者からの提案が持ち込まれます。
不動産投資に興味があっても、多くの業者が矢継ぎ早にやってきては情報に翻弄されてしまい正しい判断を行えなくなることもあります。
代々受け継がれた土地の有効活用を放棄したように、投資戦略も行わない人も多いのです。
都合の良い儲け話のみに耳を傾け、計画に関与することなく進行することも少なくありません。
投資を有効利用し、その価値を底上げするためには全体を把握し投資戦略が必要になります。
そこで重要とされるのは、ポートフォリオです。
■不動産投資におけるポートフォリオ
物件の土地や建物の区分ごとに対する一覧表になります。
権利関係
物件ごとに借地、共用部分がある場合一覧表を作る必要が出てきます。
相続関係
相続評価額を記載し資産価値を把握します。
土地は路線価、建物は固定資産税評価を資産価値として利用します。
収益関係
各物件に収益が発生している場合は計算を行います。
駐車場・家賃収入、固定資産税、保険料、管理料などを記入します。
収益関係において利益があるなら「全体の念利益 ÷ 土地・建物の資産価値」を行う事で実質利回りを出す事ができます。
■不動産物件の価値を明確にする
自宅として居住しているのであれば、収益を生み出さなかったとしてもマイナスとして考える事はありません。
収益性がマイナスの土地
放置状態の空き家は、市町村からの注意を受けるだけでなく、放置が続けば罰金がかかります。
入居率の低い古アパートも維持費・管理費用・固定資産税の支払いが必要です。
ご近所だから、親戚だからと無料で貸し出す倉庫・駐車場にも税金はかかっているのです。
収益性がプラスの土地
反面、土地をスーパー、コンビニ、薬局等に貸している。
周辺に駐車場がないため、駐車場として高い稼働率を上げている。
このように収益関係を明確にすることで、所持している資産の収益性がプラスかマイナスかを理解する事が出来るのです。
また土地の価値は収支だけで評価されるものではありません。
所有物件のトラブル発生率や心象的なものも影響するのです。
所有物件A :相続した一戸建てを空き家として放置
所有物件B :相続した土地だが、十数年前から近隣住民に農地として無料提供している
所有物件C :駐車場8台分の賃料収入あり
このような物件A、B、Cがある場合、よりマイナス度が高い物件はBになります。
実際には宅地であるAと農地であるBでは、税金面でAの方が収支的にマイナスです。
しかし、無償での土地提供を継続して行っていると言うことは、トラブルの原因となりかねません。
そのため、早い段階でクリアーな状態にしておいた方が良いと言えます。
このように土地・建物は権利・税金・管理・維持・収益などにより評価されるのです。
マンション建設等による不動産投資を行う場合の基本は、マイナス収支である物件を収益性の高い活用方法に切り替える事にあります。
■マイナス資産をプラス資産へ
資産運用として重要なのは、マイナス資産のマイナスを無くすだけでなくプラスに変化させると言うことです。
資産を変化させる方法には、
・マイナス資産を売却した資金で、収益性の高い物件を購入
・マイナス資産(300㎡の無償農地)とプラス資産(20㎡のワンルームマンション)を交換
マイナス資産をプラス資産に変える事で、全体の収益性を上げる事ができるのです。
まとめ
ポートフォリオを利用し資産管理を行う目的は、保有資産全体の資産価値・収益力・節税効果を上げることにあります。
資産価値を維持し・損失を無くすためには、改善のための課題や投資戦略を発見するためにポートフォリオは必要不可欠と言えるのです。