不動産資産を持つことに注目が集まると同時に、都心部の不動産価格が高騰しています。
不動産物件は、株式やFXと違い流動性が乏しいものの、急激な暴落が少ないのが人気の原因と言えます。
また、少子化問題の解決策として機械化が進むことへの所得不安の広がりも要因の一つと言えます。
■不動産投資を促すトマ・ピケティの語る「21世紀の資本論」
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の著書「21世紀の資本論」では、数々の実証データを基に経済の法則性が指摘されています。
その中に「資産や技術を持つものはより豊かになり、持たない人はより貧しくなる」というものがあります。
雇用不安や老後の生活不安、資産を持たない者でも資産を作り出し労働以外の所得を得る事が必要となってきています。
そのため、購入する物件を担保に資金調達が行える「アパート経営」が注目を集めているのです。
またトマ・ピケティは相続税による所得格差も挙げています。
少子化による資産の集中が起きる事で「持つ者はより多く」の法則による所得格差の広がりが予想されます。
しかし2015年に改正された相続税により、基礎排除の縮小、税率の引き上げにより持つ者の税負担が増えました。
これも不動産投資を増やす要因の一つと言えます。
相続税は、相続財産の評価額(土地の時価8割、建物の時価4~8割)に対して相続税をかけるため、現金で所持するよりも大きな節税となるのです。
■外国人投資家の増加
日本へ訪れる外国人の数は年々増加し、過去最高水準を更新し続けています。
日本の持つ衛生・治安・文化だけでなく、円安が日本をより魅力的に映し出していると言えます。
それらの後押しを受け日本の不動産市場に対して、海外投資家は高い評価を付けています。
政治、経済、社会環境による不動産価値の安定性により「リスクが低い」「利回りが高い」「品質が高い」と評価されているのです。
そのため、外国人でも不動産が取得できる日本の不動産市場は大きな魅力として不動産投資が増加しているのです。
■マイナス金利導入による不動産人気
日銀のマイナス金利政策と共に住宅ローンの金利が下がる事で、不動産投資ブームに火が付きました。
その結果、不動産市場の過熱状態が予測されたために不動産投資に対する注目が高まったのです。
マイナス金利政策を先行して行ったデンマークでは、借りると「利息」が貰える住宅ローンまで登場したと言われます。
デンマークでは、マイナス金利と共に不動産投資に人が集まり、不動産価格の上昇がみられたのです。
さらに預金金利の低下は、銀行への預金の意味を消失させるため、預金を行うよりも投資にお金を利用しようと言う考え方が増加しているのです。
■まとめ
不動産投資のブームを促す要素はさまざまです。
需要と供給バランスにより、特に都心部において高騰傾向が見られる不動産物件ですが、どんな物件でも購入すれば良いと言う訳ではありません。
安全性と収益性のバランスを考え、利益率の高い物件を選びよりより不動産投資を行うことが重要です。
また不動産投資の条件だけでなく、不動産経営への関わり方、入居者、不動産業者、近隣の人との関係性などの希望も含め、自分にあった投資物件を探す必要があると言えるのです。