投資家にとって重要なのは「資産価値」「安定収益」「低リスク」への投資です。
マンション投資も同様で「高利回りハイリスク」よりも「安定収入低リスク」という堅実な投資が重要となります。
不動産ローンや住宅ローンは、長期所有を目的としたローンであるように、マンション投資も長期的な視野で考えることが大切なのです。
マンション投資で失敗する人の理由は共通する事が多いため、失敗の回避も比較的容易といえます。
■投資家を惑わす高利回りの秘密
投資マンションは利回りが高いほど大きな収益が期待できます。
しかし広告で表示された「高利回り」という情報に飛びつくと、大きな損失を負うことになります。
実際には高ければ高いほど良いと言う訳ではないのです。
利回りの種類には3種類があることも、誤解の基となる原因です。
表面利回り(グロス利回り)
販売広告時に利用されている大まかな収益指標です。
経費が引かれていないため、大きな利回りを生み出しています。
【表面利回り = 年間収益 ÷ 物件価格 ×100】
想定利回り
居住用に利用されていた部屋を、賃貸用として売り出す場合の参考収益指標です。
周辺の賃料相場を想定し算出されます。
実績のある賃料ではなく、売却促進のための想定賃料のため実際には予測した賃料よりも低くなることが多いです。
【想定利回り = 年間収益(想定) ÷ 物件価格 ×100】
実質利回り(ネット利回り)
毎年必要とされる税金・管理費・積立金・保険料などを引いて計算します。
より精度の高い収益を知る事ができます。
【実質利回り = (年間収益 - 年間経費)÷ 物件価格 ×100】
年間経費には、建物管理費、賃貸管理費、修繕費、固定資産税、都市計画税、火災保険料などです。
不動産投資の際には、実質利回りを重視する必要があります。
しかし実際には最も利回りが低くなる実質利回りは無視されることが殆どです。
実際には少しでも利益を多く見せるため、表面利回りが利用されていることが多いのです。
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■高利回りの中古マンションには注意が必要
広告時には利回りの種類などの説明がなく、高い利回りのみが表記されるため、実際の収益性を無視して不動産投資を行ってしまう人は少なくはありません。
新築ワンルームマンションを2400万円で購入 月々10万円の家賃収入が想定される場合
【120万円÷2400万円×100=5%】
築30年の中古ワンルームマンション1000万円で購入 月々8万円の家賃収入が想定される場合
【96万円÷1000万円×100=9.6%】
同じ金額を投資に利用するなら、築30年のマンションであれば2部屋購入できます。
そのため築30年の中古マンションの場合、新築の2倍近い利益を得ることになります。
利回りを高める方法には「年間収入のUp」「物件価格のDown」があります。
立地の相場より高い賃料では入居者が入らないため、安く物件を取得する方法が現実的です。
そのため、価格が安く利回りの高い中古マンションを選んでしまうのです。
しかし不動産投資は、このように簡単な計算では済みません。
築年数の経過した、立地や周辺環境に特徴を持たないマンションは、人気が無く入居者が決まりません。
入居者が入らなければ賃料収入を得ることができず、経費ばかりがかかるのです。
理論上の利回りが高くても、実際の物件の持つ価値は違うのです。
理論上の利回りを基準とすることで、実際の収益を得ることが出来なければ不動産投資は失敗です。
不動産投資を行う際には利回りだけでなく、入居者にとって魅力的な立地・環境・間取りであることが重要になってくるのです。
■立地に将来性が無ければ物件にも将来性が無い
マンションの築年数・間取りなどの住居部分に大きな違いが無いからと、安易に安価なマンションを購入してはいけません。
同じグレードのマンションにも関わらず、大きな価格差がある場合には、どこかに価格差の原因となる要素があるためです。
不動産投資において安く購入することは重要ですが 価格=条件 ということを決して忘れてはいけないのです。
また価格と共に重要となるのは、物件の立地です。
環境の利便性・交通の利便性などにも焦点を当てる必要があります。
それらは入居率に大きな影響を与え、将来的に大きな利益を生み出す事があるのです。
■老朽化への楽観視は投資の崩壊を招く
都内には築年数30年を超える安い中古マンションが多くあります。
立地も良く価格もお手頃でお買い得に感じます。
しかし、入居率の高い都内の物件だからと言って安易に考える訳にはいきません。
投資用マンションに不具合が起きた場合の修理義務はオーナーが負います。
また、大規模修繕などにも対応しなければいけません。
例え利回りが10%近くあったとしても、修繕を放置しては入居者が入らず利益がでません。
また、築年数が古くなると共に、管理費用・修繕積立金・維持費用が多くなることも忘れてはいけない要素なのです。
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